症状別施術例
【初診日】
2016年1月14日
【主訴及び状況】
3年ほど前から、出勤のため電車に乗ると必ず下痢が起こるようになりました。
当初は、次の停車駅まで約10分の急行電車であれば何とか我慢できていましたが、徐々に症状が悪化。初診時には、各駅停車でも1駅ごとに電車を降り、トイレに駆け込まなければならないほどの状態になっていました。
電車に乗ると不安感が込み上げてきて、胸から頭にかけて熱くなるような感覚があり、汗で服がびしょびしょになることもありました。そのため、着替えを必ず持参して出勤していました。
しかし、不思議なことに職場に到着すると便意は収まり、何事もなかったかのように過ごすことができるという状態でした。
正露丸やビオフェルミンなど、さまざまな薬を試してみましたが、本人はあまり効果を感じられませんでした。
家庭の事情から以前よりストレスを多く抱えており、そこへ仕事上の新たなプレッシャーが加わったことをきっかけに、症状が出始めたとのことでした。
【治療及び経過】
問診では非常に早口で話され、常に焦っているような様子がうかがえました。
身体の状態を確認すると、胃腸そのものが弱っているというよりも、心窩部(みぞおち)の強い張りがみられ、百会穴や神道穴にも強い圧痛がありました。
東洋医学的には、ストレスなどによって「肝鬱」が生じ、上半身に気が滞っている状態と考え、気の巡りを整え、上部に停滞した気を動かすことを主眼に施術を行いました。
【治療経過】
・初診~10診
電車を各駅で降りることはなくなりましたが、電車に乗るとお腹が痛くなり、便意を催す状態は残っていました。
一方で、不安感は以前の半分程度まで軽減。体調の良い日には、これまでのように汗が噴き出すこともなくなってきました。
・11診~20診
電車に乗るとお腹が痛くなることはあるものの、我慢できるようになってきました。
お腹が痛くなったときには念のため途中下車することもありましたが、トイレに駆け込むことはなくなりました。
不安感もほとんどなくなり、「だいぶ自信が出てきた」と話されるようになりました。
・21診~45診
多少体調に波はあるものの、途中下車することはなくなり、**「出勤することへの恐怖はもうない」**と話されるまでになりました。
ある日、京都まで特急電車で出かける機会がありました。乗車してすぐに不安感が出て、お腹が痛くなりかけましたが、その感覚はすぐに落ち着き、無事に京都で観光を楽しむことができました。
症状は落ち着きましたが、家庭環境の事情からストレスがたまりやすいため、現在は体調管理を目的として2週間に1度のペースで来院されています。
※本症例は一例であり、すべての方に同様の経過や改善がみられることを保証するものではありません。下痢や腹痛などの消化器症状が続く場合は、必要に応じて医療機関での検査・診察を受けることをおすすめします。